千葉県南房総にある見所満載の低名山、鋸山を紹介します。
鋸山はその名のとおり、ノコギリの歯のようなギザギザした山容です。
「関東の富士見100景」にも選ばれており、晴れていれば東京湾ごしの富士山など、美しい眺望が期待できるお山です。
昔は石切り場として栄えていて、その名残が登山コースの随所で垣間見れます。
人工的に切り落とされた古代遺跡のような岩肌は、まるでラピュタの世界にいるかのようです。
コースは浜金谷駅から出発し、日本寺エリア内にある地獄のぞきや、日本一の石像大仏を見学した後、岩の回廊を通り、鋸山山頂を目指す鋸山のいいとこ取りコースです。
鋸山周辺には下山後のお楽しみ(温泉・港町の食事)も充実しています😃
コースレポと共に情報をまとめてみたので、興味のある方の参考になれば嬉しいです!
鋸山基本データ
鋸山は、千葉県の鋸南(きょなん)町と富津(ふっつ)市の境に位置する、標高329mのお山です。
鋸の歯のようなギザギザした山容と、露出した岩肌が特徴です。
鋸山は主に2つのエリアに分れています。
1つは鋸山南側斜面にある日本寺エリア。
地獄のぞきと呼ばれる展望地や、日本一の石像大仏など観光地化されています。
ロープウェーや車で簡単にアクセスでき、約9割が舗装された道です。
もう1つは岩の回廊や石切り場などがある北側エリア。
実際の鋸山山頂はこのエリアにあり、車力道や関東ふれあいの道から、絶壁階段を登ってアクセスします。(山頂は地獄のぞきから、東へ約1kmの場所にあります)
このエリアは日本寺エリアとは違い、緑あふれる登山道です。
標高 | 329m |
---|---|
所在地 | 千葉県安房郡鋸南町・富津市 |
エリア | 房総丘陵 |
登山適期 | 一年中(降雪後、残雪時は除く) |
どちらのエリアも、ビュースポットが点在しています。
西側エリアは東京湾をはさんで、伊豆大島や三浦半島まで見渡せます。
そして「関東の富士見100景」に選ばれているだけあり、丹沢・箱根・伊豆の山々を従えた富士山の眺望が見事です。(空気が澄んでる冬がおすすめ)
北や東方面は低山ながらも奥深い、房総の山々が広がっています。
登山拠点である浜金谷駅や保田駅の周辺には、温泉施設や、獲れたての地魚が食べられる食事処が多数あり、登山後の楽しみも満載です!
鋸山コースデータ
コースデータ詳細:【】内は通常コースタイム
- 浜金谷駅(標高約30m)→【0:10】→車力道分岐
- 車力道分岐→【0:20 】→観月台
- 観月台→【0:55】→地獄覗き
- 地獄覗き→【0:25】→日本寺大仏
- 日本寺大仏→【1:15】→石切場跡
- 石切場跡→【0:45】→鋸山(標高約329m)
- 鋸山→【0:25】→車力道分岐
- 車力道分岐→【0:20】→車力道入口
- 車力道入口→【0:25】→浜金谷駅(標高約30m)
通常コースタイム:約5時間00分(休憩含まず)
コースレポート
浜金谷駅→地獄覗き→日本寺大仏
今回はマイカーでアクセスしました。
金谷海浜公園の無料駐車場に車を置き、それから浜金谷駅へ向かいます。(駅構内にトイレあり)
駅前の十字路に、関東ふれあいの道の案内図があるので、それに従い左へ進みます。
金谷川を渡って少し進み、ミートショップの先を左へ。
(下山時には、おやつに丁度いいコロッケを頂きました😀)
内房線のガードをくぐり、道なりに進むと、
車力道と関東ふれあいの道の分岐に到着します。
登りは展望スポットが多数ある、関東ふれあいの道を選択。
いきなりの階段は気が滅入りますが、こちらのほうが地獄のぞきまでのアクセスが早いです。
思いのほか階段が続き、一気に体が温まります。
しばらくして山道らしい道に変わり、ひと登り終えると、
観月台という展望地に到着!
ここからは、金谷の町並みと東京湾の眺めがよいです😄
そして鋸山の全貌も確認できます!
ギザギザのスタイルはまさにノコギリ!
写真ではわかりにくいですが、実際はむき出しの岩肌が大迫力です😮
観月台を少し進むと、ログハウス風の綺麗なトイレがあります。
そしてその先は、味のある石段の登山道が続き、
だんだんと鋸山へ近づいていきます。
岩舞台への分岐を、日本寺方面へ進むと、
ラピュタの壁と呼ばれる巨大な横穴があいた石切り場に到着します。
ここからの景色は圧巻で、自然と感嘆の声が出てしまいます。
こんな絶壁でどう石を切り出したか不思議でしたが、近くにその疑問を解決する概要案内がありました。
勉強になったところでラピュタの壁をあとにし、日本寺へ。
日本寺北口管理所で、拝観料700円を払って中に入ると、
すぐに百尺観音が迎えてくれます。
この観音様も立派で、なんと6年もの歳月を費やし完成させたようです。
この通りを少し進み、後ろを振り返ると、これから向かう地獄のぞきが突き出していました😲
地獄のぞきがある山頂展望台(標高約270m)へは、こんな階段を5分ほど登ります。
登り終えたら、地獄のぞきへ直行!(写真は私ですw)
9時40分頃到着しましたが、人もまばらで記念写真もスムーズに撮れました😄
そして周囲の景色は大絶景!!
真下の写真(下まで100mあるそうです)↓
ロープウェイ側の景色↓
空気の澄んでる日なら、伊豆大島や富士山までバッチリなようですが、あいにくこの日は軽くガスっていて残念😭
しかし、そんなことを忘れるくらいのインパクトが地獄のぞきにはあり、充分満足できました😆
地獄のぞきを堪能したあとは、日本一の石像大仏の見学へ。
大仏まで行くには、この急な階段を約140mほど降ります。
広場に出ると、山の岩肌を削って作られた大仏が鎮座されています。(高さ約31m)
大仏見学のあとは、広大な日本寺境内をくまなく散策。
十州一覧台からは、南房総の山々を一望できました。
千五百羅漢石像群は細工が細かく、1つ1つ石像の表情が違います。
日本寺エリアは、階段を降りたり登ったりと以外と体力を使いましたw
一通り見学したあとは、もう一度北口管理所へ戻り、岩の回廊を進んで鋸山山頂を目指します!
日本寺大仏→石切場跡→鋸山→浜金谷駅
日本寺の北口管理所を出た後は、岩舞台の分岐まで戻り、そこから矢印の方向へ進みます。
鋸山の岩壁に向かって進むと、オーバーハングした地獄のぞきが見えてきます。
なにかの拍子に崩れそうですね。。
少し進んだ先に岩舞台への分岐があるので、そちらへ向かうと、
文字通り岩舞台!!登山歴10数年ですが、こんな圧倒される岩肌は見たことないです。
これが人間の手によって、切り落とされたとは😮
ここには、切り落とした石を運ぶショベルカーの残骸や、石をカットする機械が産業遺産として残されています。
これは石を下に運ぶ滑車のようです。
岩舞台を先へと進むと、観音洞窟と呼ばれるマンションほどの大きさの洞窟があります。(大きすぎて写真に収まりません😅)
他にも岩壁を切り抜いた切り通しと呼ばれるポイントもあり、見どころ満載です。ここまでがラピュタの世界を連想させる、岩の回廊です。
古代遺跡のようなこの道は、存分に目を楽しませてくれました!
このあとは、車力道コースと合流し「地球が丸く見える展望台」という、ビューポイントに向かいます。
途中、絶壁階段と呼ばれる石を切り落として作られた、段差の大きい石段を登ります。
日本寺エリアの階段で体力の削られた相方は、完全にバテていましたw
石段を登り切ると、以下のような分岐があるので、展望台方面へと進みます。
展望台は360度の大展望で、先ほどまでいた日本寺の山頂展望台も、すぐそこに見えます。
東京湾の向こう側は、残念ながらガスっていて見えません😥
南側の保田漁港方面は、山と町と海がいい感じで、遠くまで見通せました🙂
このあとは先ほどの分岐まで戻り、鋸山山頂を目指します。
道中の山道は、房総特有で懐かしさを感じました。(昔はよく房総の廃道を歩いてたので)
分岐から15分ほど歩くと、山頂に到着!
山頂は北側が開けていて、味わい深い房総丘陵が見渡せます。
一休みした後は、車力道への分岐まで戻ります。
帰りの道もナイスな風景。
分岐まで来たら右へ曲がり、浜金谷駅へ。
名残惜しいですが、最後の岩肌にお別れを👋
下山道の車力道は、職人が切り出した「房州石」を麓まで降ろしていた産業遺産でもある道です。
どうやって降ろしていたかというと、「ねこ車」と呼ばれる台車で、1本80kgの房州石を3本も載せて、運んでいたそうです。
今でもその名残として、写真のような台車のわだちが残っています。
運搬するのはなんと、女性の仕事でした😲
こんな山道を1日に3往復もしていたそうで、今じゃ考えられない重労働ですよね😭
そんな歴史ある登山道が終わり、10分ほど歩くと浜金谷駅です。
朝に通りかかったお肉屋さんの前を通ると、登山者用に総菜が売られてました。
お値段も手頃なので、コロッケと一口かつを購入!
疲れた体にちょうどいい美味しいさで、ものの数秒で胃袋に😃
無事下山し、駐車場で余韻にひたりながらストレッチをしたあとは、港町の海鮮料理を目指して出発!
港町の海鮮料理は、このあとに紹介しているので、下山後のお楽しみランチの参考にしてみて下さいね。
下山後の食事
目指したのは、保田漁港直営の食事処であるばんや本館。
金谷漁港周辺にも美味しいお店がたくさんあり、決めるが大変でしたが入浴施設も併設しているばんやに決めました。
浜金谷の無料駐車場から、保田方面へ車で15分ほどの場所に、ばんやはあります。
14時ちょうどに着きましたが、専用の大型駐車場は混雑していました。
ばんやは本館と新館があり、本館は20組待ちの大盛況。(新館はそこまで並んでいませんでした)
列がさばけるまで、並列する同じ系列のばんやの湯へ。
内湯だけですが、少しぬるめの炭酸泉でゆっくり入浴できました♨
汗を流した後は、お待ちかねの海鮮料理!
漁師のまかない丼(1200円)
ビノス貝焼き(600円)
ミックスフライ:アジ・イカ・タチウオ・スズキ・サバ・ワラサ(850円)
ミックスフライは、朝獲れの旬な鮮魚が、サックサク😀
ビノス貝焼きは、貝に溜まった汁が絶品!(貝はアツアツなので注意)
まかない丼の海鮮は、普段スーパーで買ってる刺身と比べ、うまさのレベルが桁違いでした!(食べた瞬間、違いがわかります😆)
鋸山下山後の食事は、ばんやもいいですが、浜金谷駅近辺にも魅力的なお店がたくさんあるので、そちらもチェックしてみて下さいね。
(新鮮鮮魚の金谷食堂や、あじフライで有名なさすけ食堂などなど)
温泉・お風呂
かぢや旅館:鋸山金谷温泉
【入浴料】700円
【駐車台数】24台
【営業時間】日帰り入浴:12:00~19:00
ばんやの湯:海鮮食堂が隣接!
【入浴料】600円
【営業時間】15:00~22:00(土日は7:00から)
金谷ステーション:鋸山金谷温泉
【入浴料】800円(ドリンクバー付きの値段です)
【営業時間】11:00~17:00(最終受付16:30まで。水・木曜日定休)
天然温泉 海辺の湯:
【入浴料】土日祝 880円/平日 780円
【営業時間】10:00~21:00
地図情報
観光協会推奨コース↓
鋸山へのアクセス
公共交通アクセス
【電車】JR東日本 内房線「浜金谷駅」駅(東京駅から電車で約2時間半ほどです)
【バス】バスタ新宿から君津駅まで、高速バスがあります。君津駅から浜金谷駅までは、電車移動です。
詳細はJRバス関東のHPをご確認下さい。
【フェリー】久里浜港から東京湾フェリーに乗り、金谷港で下船。そこから浜金谷駅までは徒歩移動。詳細は東京湾フェリーのHPをご確認下さい。
マイカーアクセス
金谷海浜公園プール駐車場:
【駐車台数】17台
【料金】無料
【営業時間】24時間
【備考】トイレはありますが、古くて綺麗ではないです。浜金谷駅内のトイレのほうがおすすめです。
※7、8月はプール利用者専用の駐車場となります。
駐車場入口↓
日本寺駐車場:
【駐車台数】53台
【料金】駐車料金は無料ですが、ここから鋸山へ向かう場合、日本寺境内を通るので拝観料大人700円必要です。
【営業時間】8:00~17:00
【HP】鋸山 日本寺
【備考】有料道路(1,000円)専用の山頂駐車場と間違わないよう注意。
The Fish (ザ・フィッシュ):
【駐車台数】大型駐車場完備
【料金】無料ですが、登山帰りはぜひ食事や、お土産の購入を😀
【営業時間】土日は9:00~18:00、平日は9:30~18:00
【HP】The Fish
【備考】新鮮な海鮮が楽しめる食事処や、お土産が豊富な観光スポット。HPには金谷のおすすめ散策コースも載っているので、登山後アフターの参考にご覧ください。
登山便利グッズ
あると便利な1枚。汗を素早く吸収し、尚且つ速乾性や防臭機能もあります。デザイン性もよく、10通り以上のアレンジが可能です。
スノーピークの超軽量(178g)折りたたみ傘。収納サイズも22cmと小型で、ザックに入れておけば、突然の雨にも安心。
短時間の登山に最適。収納もたくさんあり、洗濯機で洗え、お手入れが簡単です。
【山の本厳選30冊】山好きに読んでもらいたいオススメ本を「カテゴリー別」に紹介します!
まとめ
いかがでしたか?
低山ながら見晴らし抜群の鋸山は、1年を通して楽しめます。
アクアラインや電車を使えば、都心からでも気軽にアクセス可能ですよ😄
今回の山行ポイントをまとめると、こんな感じです。
・ラピュタの世界に入り込んだような登山道
・「関東の富士見100景」に選ばれるほどの絶景ポイント
・下山後のお楽しみスポット(食事やお風呂)がたくさん
鋸山は正直、観光地のイメージが強かったのですが、岩の回廊をはじめとする日本寺エリア外の登山コースは、秘境感満載で存分に楽しめました。
景色に見とれてしまい、実際のコースタイムより時間がかかってしまうので、行動計画は少し余裕を持っていたほうがいいかもしれませんね😃
この記事が、楽しい山歩きの参考になれば嬉しいです。
それでは、最後までご覧頂きありがとうございました!