今回は秀麗富嶽十二景にも認定されている倉岳山(990m)、高畑山(732m)の紹介です。
JR中央線梁川(やながわ)駅からスタートし、寺下峠、倉岳山、高畑山を経て鳥沢駅に下山しました。
稜線歩きが気持ちよく、新緑や紅葉の時期にオススメのコースです。
また、寺下峠に至る途中でルートを見失ってしまった場所がありました。
注意点としてコースレポと共にまとめてみましたので、中央線沿線登山に興味のある方の参考になれば嬉しいです。
倉岳山、高畑山 基本データ
倉岳山、高畑山は大月市が定めた秀麗富嶽十二景の九番山頂です。
倉岳山は前道志と呼ばれる秋山山稜の最高峰で、北側は百蔵山、扇山の展望がよく、眼下には鳥沢や猿橋の町を見下ろせます。
南側は丹沢の山並みと富士山のコラボレーションを楽しめ、山梨百名山の一つにも認定されています。
頂上は20人ほど休憩出来る広さがあり、お昼休憩にちょうど良いです。
高畑山は北側の展望は良くないですが、南側の富士山方面は展望が開けています。
頂上は横長に広がっていますが、そこまで広くありません。
標高 | 倉岳山:990m 高畑山:732m |
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所在地 | 山梨県大月 |
エリア | 前道志(秋川山稜) |
登山適期 | 3月から12月 |
倉岳山、高畑山はセットで登られることが多い、人気のお山です。
よく紹介されているメジャーなコースは、鳥沢駅から高畑山→倉岳山→立野峠→梁川駅のコースです。(通常コースタイム約5時間30分)
我々は人の少ない道が好きなので、梁川駅からマイナーな寺下峠ルートを歩いてみました。
このコースは、寺下峠から高畑山まで6つのピークがある変化に富んだルートです。
また、下調べでは寺下峠のルートは所々荒れていたり、迷いやすいとのことだったので、拡大した25000図の地形図とコンパスを持参し、地形を確認しながら歩きました。
けれど、谷沿いから尾根に取付くところでルートを外れ、そのまま谷沿いを歩いてしまいました・・・
コースレポでは道を外れてしまった場所も案内しているので、このコースを利用する際の参考にしてもらえれば嬉しいです。
倉岳山、高畑山 コースデータ
コースデータ詳細:【】内は通常コースタイム
- 梁川駅(標高約290m)→【0:30】→梁川町塩瀬(標高約315m)
- 梁川町塩瀬→【1:30】→寺下峠(標高約698m)
- 寺下峠→【1:00】→鳥屋山(標高約808m)
- 鳥屋山→【0:45】→立野峠(標高約810m)
- 立野峠→【0:35】→倉岳山(標高約990m)
- 倉岳山→【0:20】→穴路峠(標高約842m)
- 穴路峠→【0:35】→高畑山(標高約982m)
- 高畑山→【1:00】→石仏(標高約540m)
- 石仏→【0:25】→小篠貯水池(標高約362m)
- 小篠貯水池→【0:35】→鳥沢駅(標高約270m)
通常コースタイム:約7時間15分(休憩含まず)
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コースレポート
梁川駅から寺下峠
低山も色づきはじめた11月、車だと駐車場がどこも混合いそうなので、電車でのアクセスが簡単な山を探して、見つけたのが倉岳山と高畑山。(登山日は20/11/15)
梁川駅までは、JR中央線で新宿駅から約1時間20分ほどです。
駅に着くと、さっそく倉岳山がお出迎え。
昔は鞍岳山と言われていたそうで、その名の通り鞍の形に見えます。(奥にある山がそうです)
無人駅の梁川駅には、トイレと自販機はありますが、コンビニはありません。(鳥沢駅にはコンビニがあります)
寺下峠の登山口へは、駅から国道20号線を東に進みます。
途中、開けた場所があり、そこから見た梁川大橋が絵になっていて見事でした。
倉岳山の一般的な登山コースは、この柳川大橋を渡り、立野峠経由で向かいます。
駅から2つめの信号まで歩くと案内標識があるので、それに従い右へ曲がります。
すると道が二手に分れるので左へ進み、
塩瀬大橋を渡ります。
ここから見下ろす桂川渓谷も抜群のロケーションでした。
奥には倉岳山も見えます。
道なりに進んでいくと民宿があらわれ、その先の案内標識に従って歩くと登山口に到着します。
ここまで通常タイムだと30分ほどです。
事前に調べたところ、ここから寺下峠までの区間は所々荒れているとのこと。
そのため、久々に地形図を手にとり、まわりの地形と地形図を見比べながら進むことにしました。
しばらくは雑木林の中、黒い水道管パイプと共に進みます。
コースは昔ながらの峠道といった感じで、フカフカ落ち葉の中を歩いて行きます。
意外にも案内標識も豊富で、踏み跡もしっかりしています。
沢を渡り、しばらく進むと水道管パイプの大元?のような構造物があります。
もう一度、沢を渡ったあたりから、少し荒れだしました。
踏み跡を確かめながら、谷沿いを進んでいくと道荒れがひどくなり、
アレッ?と思い引き返すと、道を外れてました。。
道を外れた場所はここ。
青方向が正解ですが、赤方向に行ってしまいました😅
下を向いて歩いていたらまったく気づかず、そのまま谷方向へ・・・
同じような人が現れないように、登山道から外れたところにあった枯木を置いておきました。
上記地点から左へ目を向けるとちゃんと登山道があり、赤テープも巻かれてます。
こういうことはマイナーコースあるあるなので、少しでも迷ったなと感じたら、明確にわかる登山道まで戻って、辺りを確認しましょう🙂
ちなみに地形図でいうと、500mと550mの等高線の間の赤丸部分です。(青線は谷筋です)
ここから先は斜面にロープが張ってあり、注意が必要なエリアです。
滑りやすいので、下りで通過する際は慎重に。
ロープゾーンが終われば、残りは緩やかな山道です。
左手には色づいた矢平山(860m)が見えました。
その先には道をふさいでいるコが現れますが、
上側に避けられるトレースがあります。
倒木をこえて少し歩くと、寺下峠に到着です。
このコースの核心部は標高500mから600mの間ですかね。
谷沿いの道とロープゾーンは注意が必要ですが、それ以外は静かな山歩きが楽しめます。
寺下峠から倉岳山→高畑山→鳥沢駅
ここから高畑山までは、小さなものも含めて6つピークを越えていきます。
多少のアップダウンはありますが、色鮮やかな尾根道は目を楽しませてくれます。
この稜線は左がブナなどの広葉樹、右がスギやヒノキの造林木で分けられていました。
やっぱり紅葉の時期の登山はいいですね😁
いろいろな黄色を楽しむことができ、大満足です!
案内標識でにぎわう立野峠で一休み。水場は、梁川駅方面に10分ほど歩いた場所にあります。
ここから倉岳山までは急坂が続き、今回のコースで一番キツいポイントでした。
けれど景色がいいので、しんどさは若干緩和されます😄
最後の急登をひと踏ん張りして、倉岳山に到着!
そして、この日はじめての富士山です🗻
北側からは鳥沢や猿橋の町がみえ、その先には大菩薩嶺も望めます。
ちょうど腰を下ろせる場所があったので、ここでお昼休憩にしました。(山頂には20人ほど休憩できるスペースがあります)
休憩のあとは、穴地峠を目指して出発です。
急な下りを注意して進むと、穴路峠に到着。ここには「峠道文化」についての説明書きがありました。
昔は峠の往来が盛んだったようです。
穴路峠から少し登った場所には、百蔵山と扇山の眺望がいい場所がありました。
先へ進み、落葉樹のトンネルを抜けると、
高畑山に到着です!
しかし残念ながら富士山は霞んで見えませんでした。。
小休止のあと、鳥沢駅を目指し下山開始。
高畑山直下は、かなり急な道です。落ち葉で足元が滑るので、慎重に下りましょう。
石碑がある穴路峠との分岐まできたら、沢沿いを進み貯水池を目指します。
以前来たときは綺麗な湖面が印象的でしたが、今回はなぜか空っぽでした。
ゲートをくぐると、山道は終わりです。
あとは鳥沢駅まで、のどかな町を歩きます。
桂川を渡り、国道20号線をしばらく歩くとゴールである鳥沢駅に到着します。
近代的な建物でなかなかオシャレです。(駅そばにコンビニあり)
帰りは電車の中で気持ち良く眠っての楽ちん帰宅。
紅葉の中の静かな縦走コースを楽しめ、景色に力をもらえた一日でした😁
登山便利グッズ
Buff(バフ)はあると便利な高機能ヘッドウェアです。汗を素早く吸収し、尚且つ速乾性や防臭機能もあります。デザイン性もよく、10通り以上のアレンジが可能です。
スノーピークの超軽量(178g)折りたたみ傘。収納サイズも22cmと小型で、ザックに入れておけば、突然の雨にも安心。
ジェットボイルフラッシュは、0.5リットルの水を約1分40秒で沸騰させます。コーヒー用のお湯も、カップラーメン用のお湯も、あっという間に沸騰します。日帰りでもテント泊登山でも重宝する優れ物です。
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地図情報
倉岳山、高畑山登山口へのアクセス
公共交通アクセス
寺下峠登山口: JR中央本線梁川駅から徒歩約30分
立野峠登山口: JR中央本線梁川駅から徒歩約25分
高畑山登山口: JR中央本線梁川駅から徒歩約30分
マイカーアクセス
高畑山、倉岳山の登山口周辺に駐車場はありません。
JR中央線大月駅か上野原駅のコインパーキングに駐めてのアクセスになります。(健脚者の縦走にはちょうどいい距離かもです)
タイムズ 上野原駅第3駐車場:16台
駐車後24時間 最大料金平日600円、土日700円
その他詳細はタイムズのHPをご覧下さい。
タイムズ 大月第5駐車場:7台
駐車後24時間 最大料金500円
18:00-08:00 最大料金300円
その他詳細はタイムズのHPをご覧下さい。
入浴施設
残念ながら梁川駅、鳥沢駅近くに入浴施設はありません。
まとめ
「紅葉の倉岳山・高畑山 プチ縦走」は、いかがでしたでしょうか?
個人的には穴路峠付近から見えた扇山と百蔵山の山容が、地味ながらいい山だなーと思いました。
今回の倉岳山、高畑山登山を簡単にまとめるとこんな感じです。
・都内からアクセス良好なのに静かな山歩きが楽しめる
・低山だけど登りごたえ十分な縦走コース
・秀麗富嶽十二景なので、富士山の展望はいい
寺下峠までの登山道は若干荒れているので、迷ったと思ったらコースが分かる場所まで引き返し、周りを確認しましょう。
駅to駅の登山だと渋滞にもあわず、電車の中でゆったりできるので、気分的にも楽でした。
ちなみに新宿駅から梁川駅までJR線だと1170円、京王線を使うと790円、と移動時間もさほど変わらず380円もお得になります。
また、同じ中央線沿線つながりの記事もいくつかあるので、よかったらご覧下さい。
この記事が充実した山行のお役にたてれば嬉しいです。
それでは、最後までご覧頂きありがとうございました!