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【日向大谷からの日帰り登山】苔むす原生林と渓谷美が魅力の両神山

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今回は埼玉奥秩父の名峰、両神山を紹介します。

百名山でもある両神山は、ノコギリの歯のようなギザギザとしたシルエットが特徴的です。

コースは原生林を感じられる日向大谷コースを選びました。

初夏のこのコースは、マイナスイオンあふれる緑豊かな渓谷美を楽しめます。

沢沿いを歩いたり、適度なクサリ場があったりと、登山の魅力がつまったコースです。

頂上からは天気がよければ富士山、八ヶ岳、浅間山方面の山々を見渡せます😀

両神山のコース情報や注意点をまとめてみましたので、両神山登山に興味のある方の参考になれば嬉しいです。

自然災害等により、コース状況が変わる場合もありますので、登山の際は最新の情報をご確認下さい。

両神山 基本データ

両神山は埼玉県の秩父市と小鹿野町の境に位置し、三峰山、武甲山と共に秩父三山の一つに数えられる名山です。

春になるとヤシオツツジアカヤシオ、秋には落葉樹林紅葉を目当てに多くの登山客が訪れます。

両神山という山名の由来は、

  • イザナギノミコトとイザナミノミコトの二神(両神)を祀っているため
  • ギザギザな山容が龍のように見えることから、龍神を祀る山として龍神(りゅうかみ)が転じた説
  • 日本武尊が東征の際に八日間、この山を見ながら歩いたという逸話から、八日見(ようかみ)山と呼ばれ、それが転じた説

など複数あり、古くから信仰の山として知られています。

山中には「両神神社」「両神御嶽神社」「龍頭神社」の奥社があり、大正初期までは女人禁制の山でした。

標高両神山:1,723m
所在地埼玉県秩父群小鹿野町
エリア奥秩父山塊
登山適期4月中旬から11月中旬
新緑5月頃(アカヤシオは5月中旬から下旬)
紅葉10月

山頂からの展望は雄大で浅間山や、八ヶ岳、富士山まで、まるっと見通せます。

ただし山頂はデコボコした狭い岩場なので、登山者が多いと、のんびり休憩とはいきません。

食事休憩は清滝小屋に広いスペースがあるので、そちらのほうがゆっくりできます。(21/7/16に両神神社を通りかかったところ、テーブル付近に大きなスズメバチを見かけたので、両神神社の休憩スペースはオススメできません!

両神山の各種コース概要については、下段のコースデータで紹介しています。



両神山コースデータ


コースデータ詳細:【】は通常コースタイム

  • 日向大谷口(標高約672m)→【0:35】→会所(標高約697m)
  • 会所→【1:30 】→清滝小屋(標高約1,290m)
  • 清滝小屋→【0:50】→両神神社(標高約1,627m)
  • 両神神社→【0:30】→両神山(標高約1,723m)
  • 両神山→【0:20】→両神神社(標高約1,627m)
  • 両神神社→【0:35】→清滝小屋(標高約1,290m)
  • 清滝小屋→【1:10】→会所(標高約697m)
  • 会所→【0:30】→日向大谷口(標高約672m)

通常コースタイム:約6時間/9km(休憩含まず)

日向大谷コース

「ひなたおおや」と読み、両神山でもっともポピュラーなコース。

頂上付近にある両神神社や両神御嶽神社の表参道でもあり、コース途中に水場やトイレもあります。

かつての修験道のなごりとして、石碑や石仏が多く残り、道標の役割をはたしています。

薄川(すすきがわ)沿いの登山道は、美しい彩りの渓谷美が見どころの一つ

頂上付近には適度な難易度のクサリ場もあり、幅広いレベルの人が楽しめるコースです。

白井差新道コース

白井差(しらいざす)にある、山中邸裏から登る初心者向けのコース。

白井差新道は私有地のため、利用するには土地の所有者である、山中さんへの事前予約と環境整備料(1,000円)が必要になります。(電話:0494-79-0494)

登山道は丁寧に整備され、登山客からも人気のようです。

整備された登山道と駐車代で1,000円であれば、そこまで高くない金額だと思います。(下山後に登頂バッチももらえます)

山中さんの人柄を知りたい方は、こちらのインタビュー記事をのぞいてみてください。

登山者からも人気があり、面白い人と評判です。

静かな登山を楽しみたい人、新緑や紅葉のシーズンに駐車場難民になりたくない人にオススメです。

八丁尾根コース

八丁峠から山頂までの尾根を八丁尾根といい、急峻な岩場が多く、クサリ場が続く上級者コースです

百名山一筆書きに挑戦していた田中陽気さんも、苦戦するほどの難コース。

八丁峠へ至る登山口は何箇所ありますが、いずれも山の中にあり、アクセスするだけでも苦労します。

山中にある清滝小屋に泊まり、余裕をもってじっくり楽しみたいコースです。



両神山コースレポート

日向大谷から清滝小屋へ

初夏の薄川(すすきがわ)沿いの登山道を歩きたくなり、10年ぶりの両神山へ。(登山日は21年7月16日)

日向大谷口にある無料の駐車場に車を止め、出発です。

駐車場を上がると昔ながらの無料のトイレがあり、その先が日向大谷口バス停です。(近くには自販機もあります)

バス停横にある階段を上がると、

日向大谷コースの出発点である両神山荘が見えてきます。

両神山荘手前には100円チップのきれいなトイレもあります。

もろもろの準備を済ませ、いざスタート。

石鳥居をくぐると、本格的な登山道のはじまりです。
両神山は古くから信仰の山として有名で、そのなごりである石仏や石碑が随所に残っていました。

歩き出しは足慣らしにちょうどいい、緩やかな道が続きます。

ちょっとした岩場をこえ、しばらく歩くと

七滝沢コースの分岐にたどり着きます。
10年前に登りで使った七滝沢コースは、台風の影響により通行禁止になっていました。

分岐を少し進んだ先には、会所」というテーブルとイスのある広場があります。

この先は薄川(すすきがわ)沿いを歩く、このコースの見どころの一つです。沢の流れる音と、あざやかな緑が心を和ませてくれます。

沢沿いを離れるまで、計4回ほど岩づたいに沢を渡ります

水量の多い時は、渡渉ポイントを見失わないよう注意して渡りましょう。(ストックがあるとバランスをとるのに安心です)

沢沿いの登山道は自然美が素晴らしく、

苔むした岩や木の根、カエデなどの広葉樹におおわれた登山道に心がほっとします。
ただ、ところどころすれ違うのがやっとの場所もあるので、すれ違う時は安全な山側で止まって待ちましょう。

最後の沢を渡ると、「八海山」とよばれる地点に到着します。
標識は台風の影響か、傾いていましたが、標識の上には立派な不動明王像がありました。

八海山から先は、なかなかの急坂が続きます。

途中、白藤の滝への分岐(往復約30分)にて、「白藤の滝へは台風19号の影響で迷いやすくなっているので、ルートを控えるように」とのお願いがありました。

傾斜が増し、前日の雨で滑りやすくなっている山道を進んで行きますが、あいかわらず緑がきれいなので、不思議とツラいという気持ちはわきません。

さらに登っていくと冷たい湧き水が流れる、「弘法之井戸」に到着します。
手ぬぐいをぬらし、顔の汗を拭いた時の気持ちよさは、夏の暑い日にはたまりません😆

もちろん飲用もOKです。

ここから清滝小屋まではもう少し。

最後の登りをのり越えると、

ロッジ風で立派な「清滝小屋」へ到着です。




清滝小屋から両神山山頂へ

清滝小屋はかつては有人小屋として営業していましたが、現在は無人小屋です。

付近にはテント場や、きれいなトイレと水場もあります。(下段に詳細あり)

清滝小屋の裏には、小屋の由来になった「清滝」がありました。
けっこうな落差のある立派な滝で、昔はここも修行に使われていたようです。

先へと進み、ジグザグの急坂をこえると、七滝沢コースと合流します。

このあたりから登山道が霧につつまれ、幻想的な雰囲気に。
原生林が残る登山道がいっそう魅力的に映りました😃

しばらく緩やかな尾根が続いたあとは、クサリ場とロープが連続する難所が現れます。

この日は露岩や木の根が濡れていたので、注意深く進みましょう。

百名山だけあって手厚く整備されていますが、油断は禁物。

難所をのり越えたあとは、緑のトンネルが!

霧とあいまって、苔と原生林がイキイキしてました。

しばらく進み、赤い鳥居がみえてきたら、「両神神社」です。

鳥居の前には2体のかわいい狛オオカミが座っています。

見た目は古そうですが、立派なたたずまい。
秩父をはじめとする武蔵野のエリアは、オオカミは神様の使いとして敬われており、人々の信仰の対象でもあります。

神社のすぐわきには、休憩用のテーブルがありましたが、大きなスズメバチがいたので、早々に退散。(しばらく行ったところにも休憩用テーブルがあります)

両神神社の奥には「両神御嶽神社」もあり、社の龍の細工が見事でした。

神社から先は、小刻みなアップダウンが続く尾根沿いを歩きます。

この稜線は5月の中旬頃に、アカヤシオで優雅に彩られるそうです。

ロープが張られた白井差新道梵天尾根の分岐をすぎれば、頂上まであと少し。

山頂直下の岩壁を登りきると、

両神山山頂に到着!

頂上の景色はというと、ガスガスで奥秩父の山並みがわずかに見えただけ😂
本来ならば富士山、八ヶ岳、浅間山と大パノラマを楽しめたはずなんですが、この日は残念。

山頂はゴツゴツした岩の上にあり、10人もいれば窮屈だと感じる広さです。
文字が削れて読み取れない方位盤そばの岩陰に腰をおろして、お昼休憩。

ガスっていたおかげで、直射日光を浴びず妻は喜んでいました。

下山は来た道を戻ります。

しばらくは霧の中を歩き、奥秩父らしい幻想的な山歩きを楽しめました。

ただしクサリ場、ロープ場は注意が必要、岩肌や木の根が濡れていると滑りやすいので、慎重におりましょう。

薄川まで下りてきて、ホッと一息。

あとは渓谷美をゆっくり楽しみながら歩いきます。

こういう苔むした山道がたまりません。

両神山荘が見えてきたら下山終了。

両神山荘の名物ワンコも下山を迎えてくれました😄

この日はまだ時間に余裕があったので、ここから1時間ちょっとの場所にある、三峯神社へ行ってきました。

三峯神社は拝殿も華やかで、神秘的な空気がただよう関東屈指のパワースポットです。

興味のあるかたは続けてご覧ください🙂



三峯神社

両神山登山のあとは、標高約1,100mの山間部にあるパワースポット、三峯神社へ。

下山時刻は14時30分、拝殿扉や社務所が閉まるのが16時

なんとか間に合いそうなので、「せっかくここまで来たんだから」と、お風呂を後回しにして向かいました。

道も空いていたので、1時間少しで到着。

駐車場に到着して拝殿へ向かうと、全国でもめずらしい三ツ鳥居がお出迎え。
両神神社と同じで鳥居の前には、立派なオオカミが静かに座っていました

秩父三山をはじめとするこのあたりの地域では、オオカミが神格化されています。

その理由として、

「日本武尊が東征の際に武蔵野の地を訪れ、山中で道に迷った時、白いオオカミが現れ、道案内をしてくれて事なきをえたこと」
「農作物を荒らすシカ等の害獣をオオカミが追い払ってくれるので、守り神としてあがめたこと」

があげられ、秩父地方の神社では、神様の使いとして社殿の前には、狛犬ではなくオオカミが座っていることがあります。

先へ進むと1691年に建立された、隋身門(ずいしんもん)。

さらに奥へ進むと、1800年に建立された拝殿が現れます。
祭神は、イザナギノミコトとイザナミノミコト。

創建は日本武尊と伝えられています。

拝殿は細かな細工が華やかなで、豪華絢爛という言葉がピッタリ

ちなみに、拝殿のそばにある興雲閣の日帰り入浴は、2021/7/16現在、休止中でした。
拝殿をあとにし、隋身門の向かいにある遥拝殿(ようはいでん)へ

遥拝殿からは、妙法ケ岳(標高1329m)山頂にある、奥宮が一望できます。(ラクダのこぶのような場所です)

ここからの展望が、今日一の眺めでしたw

三峯神社観光を楽しんだあとは、近くにある道の駅大滝で温泉に入り、ひと段落♨

10年ぶりに訪れた両神山は、まばゆい緑が気持良く、マイナスイオンを十分に感じることができました。

両神山の山頂からの景色は残念でしたが、三峯神社の観光もでき、遥拝殿からの眺めもよかったので、妻の機嫌もしばらくよさそうです😀



山小屋・テント場情報(清滝小屋)

清滝小屋は、かつては有人小屋として営業していましたが、現在は避難小屋として解放されています

外観はロッジ風の立派な建物で、収容人数は80名ほど。
日向大谷から3.2kmほど歩いた、標高約1,290mの場所にあります。

小屋の中をのぞいてみると、避難小屋とは思えないほど、きれいに整理されています。

トイレもきれいに掃除され、驚くことに水洗でした!(冬季用のトイレもあり)
小屋前には水場とテーブルがあり、休憩にもピッタリです。

炊事場は、蛇口のついた立派な水場も完備されてます。

テント場は平坦な場所にあり、10張りほど張れる広さがあります。

避難小屋の利用料金や、テント場の料金については、小屋の周囲に料金についての記載がないため、おそらく無料だと思われます。

気になる方がいれば、小鹿野町の観光協会(TEL.0494-79-1100)へ問い合わせてみてください。

首都圏からの公共交通機関でのアクセスは、大変な時間がかかるので、余裕をもって山を楽しみたい人は、清滝小屋で1泊するのもアリかと思います🙂



登山便利グッズ

Buff(バフ)はあると便利な高機能ヘッドウェアです。汗を素早く吸収し、尚且つ速乾性防臭機能もあります。デザイン性もよく、10通り以上のアレンジが可能です。


スノーピークの超軽量(178g)折りたたみ傘収納サイズも22cmと小型で、ザックに入れておけば、突然の雨にも安心


ジェットボイルフラッシュは、0.5リットルの水を約1分40秒沸騰させます。コーヒー用のお湯も、カップラーメン用のお湯も、あっという間に沸騰します。日帰りでもテント泊登山でも重宝する優れ物です。

温泉・お風呂

道の駅 両神温泉 薬師の湯
【入浴料】600円
【営業時間】10:00~20:00(受付終了19:30)
【定休日】火曜日(祝日の場合は翌日に変更)
【備考】日向大谷登山口から一番近い温泉

国民宿舎 両神荘
【入浴料】800円
【営業時間】12:00~20:00(受付終了19:30)
【定休日】なし
【備考】レストランで¥1,000以上利用すると、入浴料が半額に!

西武秩父駅前温泉 祭の湯
【入浴料】平日:900円 土日祝:1,100円
【営業時間】10:00~22:00(受付終了21:30)
【定休日】なし
【備考】駅直結の広々スーパー銭湯

道の駅 大滝温泉 遊湯館
【入浴料】平日:700円 土日祝:800円
【営業時間】
4~11月 10:00~20:00
12~3月 10:00~19:00
【定休日】木曜日(祝日の場合は営業、振替なし)
【備考】半露天の岩風呂とひのきの内湯あり




地図情報

25000図:両神山 周辺図
出典:国土地理院ウェブサイト

両神山へのアクセス

公共交通アクセス

【路線バス】
【西武秩父駅線】西武秩父駅~両神庁舎
【日向大谷三峰口線】両神庁舎~日向大谷口

時刻表路線図などの詳しい情報は、小鹿野町営バスのHPをご覧ください。

マイカーアクセス

日向大谷口の駐車場は有料から無料を含めて、4箇所(約50台)あります。

一番遠い駐車場からでも登山口まで、歩いて10分ほどです。

トイレは登山口前に水洗の100円チップトイレバス停前に昔ながらの無料トイレがあります。

5月や紅葉のシーズンは毎年、誘導員さんが登場するほど混み合い、朝8時には満車になります。

日向大谷口 両神山荘前駐車場
【駐車台数】約10台
【料金】1,000円
【営業時間】24時間
【備考】駐車料金は両神山荘へ

日向大谷口 バス停横駐車場
【駐車台数】12台
【料金】500円
【営業時間】24時間
【備考】駐車料金は両神山荘へ

日向大谷口 無料第1駐車場
【駐車台数】約15台
【料金】無料
【営業時間】24時間

日向大谷口 無料第2駐車場
【駐車台数】約10台
【料金】無料
【営業時間】24時間




まとめ

両神山登山についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

今回の山行では、頂上からの景色はガスで見えなく残念でしたが、緑あふれる登山道にすっかり癒されてしまいました。

コース上はクサリ場やすべりやすい路面など、さまざまなアトラクションともいえる難所が出てくるので、初心者がレベルアップを目指すには最適だと思います。

両神山の特徴を簡単にまとめると、こんな感じです。

よいところ:
・晴れていれば360度の大展望
・コース途中に水場とトイレあり
・奥秩父の原生林を味わえる

注意点:
・滑りやすい土の路面
・増水時の薄川の徒渉ポイント
・山頂の狭さ(ハイシーズン時)
・駐車場の確保(ハイシーズン時)

清滝小屋のテン場は立派なので、いつか両神山を縦走するときにでも利用してみようと思います。

下山後の疲れた体を癒す温泉スポットもたくさんあるので、ぜひ両神山を訪れてみてください😃

それでは、最後までご覧頂きありがとうございました!

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ウエッキー
ランニングと山が好きな人

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