今回は奥多摩三山の一つであり、ブナの森として有名な三頭山を紹介します。
麦山の浮橋からスタートし、ヌカザス尾根で三頭山まで登り、下山は風張峠から山のふるさと村経由で、再び麦山の浮橋に戻るコースです。
麦山の浮橋は奥多摩湖の映えポイントとして人気があり、独特の揺れと「奥多摩グリーン」と呼ばれる湖面を楽しめます。
鮮やかな色彩のブナやミズナラで彩られた登山道は、森の生命力で満ち溢れ、日々のストレスを解消できました🙂
山頂からの展望もよく、東峰近くの展望台や広々とした西峰からは周囲の山々が望めます。
コース情報と共にコースレポをまとめてありますので、三頭山に興味がある方の参考になれば嬉しいです😀
鞘口峠から山のふるさと村までの登山道は通行止めでした(2021年10月16日現在)。 ふるさと村までは風張峠経由で行くことができます。最新の登山情報は奥多摩ビジターセンターでご確認ください。
三頭山 基本データ
三頭山は西峰、中央峰、東峰と3つの山頂を持つお山で、大岳山、御前山と共に奥多摩三山の一つに数えられています。
東峰近くの展望台からは大岳山方面の眺めが良く、広々とした西峰山頂からは雲取山や富士山方面の眺望が見事です。
三頭山周辺は「東京都檜原都民の森」の水源林として保護されているため、豊かな自然が多く残されています。
標高 | 1531m(中央峰) |
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所在地 | 東京都 |
エリア | 奥多摩 |
登山適期 | 4月から12月初旬 |
新緑 | 5月中旬頃 |
紅葉 | 10月後半頃 |
登山情報 | 奥多摩ビジターセンター |
三頭山への登山コースは「奥多摩湖」側のコースと、「都民の森」側のコースがあります。
奥多摩湖側のコースは、約1,000mほど標高を上げるので、初心者の方は都民の森からのコースが安心です。
山頂周辺は歩きやすく整備されていますが、分岐がたくさんあるので、迷わないようにしっかり目的地を把握して歩きましょう。
近年、台風などの影響により通行止めの登山道が増えています。
山行計画を立てる際は、奥多摩ビジターセンターで最新の登山情報を確認すると安心です。
ちなみに奥多摩周辺の避難小屋は、コロナの影響により現在利用できません。
三頭山コースデータ
コースデータ詳細:【】内は通常コースタイム
- 小河内神社バス停(標高約533m)→【1:10】→イヨ山(標高約979m)
- イヨ山→【1:00】→ヌカザス山(標高約1,175m)
- ヌカザス山→【0:50】→鶴峠分岐(標高約1,366m)
- 鶴峠分岐→【0:40】→三頭山(中央峰)(標高約1,531m)
- 三頭山(中央峰)→【0:40】→鞘口峠(標高約1,140m)
- 鞘口峠→【0:30】→風張峠(標高約1,164m)
- 風張峠→【1:44】→山のふるさと村(標高約590m)
- 山のふるさと村→【1:09】→小河内神社バス停(標高約533m)
通常コースタイム:約7時間45分・14km(休憩含まず)
三頭山コースレポート
峰谷橋から麦山の浮橋を経てイヨ山へ
今回は以前、通行止めで渡れなかった「麦山の浮橋」のリベンジも兼ねて、緑でにぎわう三頭山へ。(登山日は21年10月16日)
この日は浮橋を渡り、ヌカザス尾根経由で三頭山、下山は風張峠経由で浮橋まで戻るコースです。
まずは奥多摩駅からバスに乗り、「峰谷橋」まで向かいます。
本来は1つ先の「小河内神社」で降りたほうが早いのですが、峰谷橋にはバス停付近にトイレがあるので、こちらで下車しました。
峰谷橋のトイレには東屋もあり、登山前の準備にも便利です。5〜6台の駐車スペースがありますが、トイレ利用客がメインのため、登山用には向きません。
準備を整え、赤い外観の峰谷橋を渡ると、トンネルが見えてきます。
トンネルの先には小河内神社のバス停があり、お目当ての浮橋がお出迎え。(峰谷橋から歩いて約5分)この橋を渡り、三頭山の登山口へ向かいます。
この浮橋は台風接近に伴う水位上昇や、その他自然状況により、通行止めになる場合があります。そのため、登山前に浮橋の通行止め情報をご確認ください。
橋はポリエチレンと発泡スチロールでできた浮き子で浮いており、不思議な揺れが意外と楽しめましたw
対岸へ渡ったら、奥多摩湖のハイキングコースへ。
ヌカザス尾根へは、以下の分岐で階段を上がります。
上がった先の車道を右へと曲がり、10分ほど歩けばヌカザス尾根の登山口に到着です。まずはイヨ山(979m)を目指します。
よく踏まれた針葉樹の森を抜けると、
だんだんと緑が広がる尾根へと変わっていきます。
浮橋から一気に400m近く標高を上げるので、まわりの景色を楽しみながら焦らず登りましょう🙂
イヨ山から三頭山へ
イヨ山から先は、ますます緑がにぎわいを見せてくれます。ヌカザス山に近づくにつれ、登りがだんだんとキツくなるので、マイペースで登りましょう。
ヌカザス山直下はなかなかの急登。頑張って登りますが、山頂は残念ながら展望はなし。。ヌカザス山は「糠指山」って書くんですね、勉強になりました😄
木の根に腰掛けて、5分ほど休憩したあとは、入小沢ノ峰に向けて出発。
ここから先はマイナスイオンの宝庫です。アップダウンに体力が奪われますが、ミズナラの森が美しく、足が自然と前に進みます。
そして深呼吸が気持ちよいです😌
入小沢ノ峰に到着すると、きつい登りもようやく終わり。
ここから三頭山までは、ゆるやかな道が続きます。この緑の回廊は頭をリラックスモードにしてくれました😀
鶴峠との分岐を過ぎたあたりから、うっすらと葉が黄色に。ちょうど1週間くらいあとが見頃ですかね🍁
歩を進めると、あたりが霧で幻想的な雰囲気に包まれました。緑が綺麗だと、こういう景色も絵になりますね。
山頂直下までくると以下の場所で、踏み跡が2つに分かれます。青矢印が御堂峠を経由して三頭山西峰へ行くコース、赤矢印が西峰へ直登するコースです。
我々は直登コースを選び、西峰山頂へ。
山頂は50人は滞在できるほど広く、都民の森方面から来た人達でにぎわっていました。
本来は鷹ノ巣山や雲取山、富士山方面の展望が良好なはずなんですが、この日はご覧の通り😅木の根に座ってカップラーメンとおにぎりを食べ、早々に出発しました。
三頭山から鞘口峠、風張峠へ
西峰からは中央峰、東峰と歩き、鞘口峠(さいぐちとうげ)へと向かいます。
中央峰までは5分ほどで到着です。この場所が最高地点ですが、西峰にくらべるとスペースが狭く、展望もそれほどではありません。
さらに2、3分進むと東峰があります。こちらも狭いスペースにポツンと標識が立っており、地味めな山頂です。
東峰の先には「展望台」というビューポイントがあり、ここからは御前山、大岳山方面が一望できます。(天気が良ければ、、)展望台からは「ブナの路」を通り、鞘口峠へ。
鞘口峠までの区間は「都民の森」独自の登山道がいくつもあります。
山と高原地図をベースに計画を立てている人は、惑わされないよう気をつけましょう。
陽に照らされた登山道もいいですが、霧の中の山歩きも神秘的でいいですね👍
道中では首長竜を発見w
鞘口峠に到着すると山のふるさと村までのコースが通行止め(2021年10月16日現在)でした。山レコの登山計画を作成するコース地図では、通行可能となっていたので、これから計画を立てる人は気をつけてください。(最新の情報は奥多摩ビジターセンターで確認できます)
ここから山のふるさと村へは下りれませんが、30分ほど歩いた先にある風張峠から下りられます。
風張峠までの間にも都民の森の独自コースがあるので、そちらへ迷い込まないよう気をつけましょう。鞘口峠から風張峠までは、一旦小ピークを登り返します。
バイクや車の音が聞こえたら、風張峠が近い証拠。ここまでくれば一安心です。
風張峠から山のふるさと村を経て、麦山の浮橋へ
風張峠の下は奥多摩周遊道路ですが、そちらには降りず、木の柵をたどり月夜見山方面へと進みます。
しばらく進むと、山のふるさと村への分岐があるのでそちらの方へ。
ここからは道幅が広く、足元がフカフカした登山道を下ります。いつの間にか霧もはれ、みずみずしい森林美を再び楽しめました。
いったん奥多摩周遊道路まで出ると、そのまま道路を左に進みます。
右車線の向こうに「ふるさと村」の標識があるので、車に気をつけて道路を横断しましょう。その先は踏み跡をたどり、ふるさと村を目指します。
途中、またまた恐竜みたいな木を発見!このあたりは巨木が多くて癒されます☺️
ふるさと村に着いたら、キャンプ場方面に進み、一旦トイレを目指します。
途中には「電気柵」がありますが、問題なく通れます。
トイレは綺麗でハンドソープもありました。
ここからは再び、麦山の浮橋を目指し出発です。
トイレ前の坂を下り、太子橋を渡ります。
駐車場の脇を通り過ぎ、矢印の方向に曲がると
ビジターセンターにたどり着きます。
ビジターセンター前には「浮橋への道案内」があるので、それに従えば迷いません。
浮橋までは、奥多摩湖沿いのハイキングコースを歩きます。このコースはフラットで歩きやすいので、登り下りで疲れた体をほぐすように歩きましょう。
2kmほど歩けば、浮橋に到着です。あいかわらず目を引くロケーションで癒されます😌
バスが来るまで時間があったので、峰谷橋のバス停まで歩き、一休み。
トイレの洗面所でタオルを濡らし、顔の汗を拭いてさっぱりしました。
奥多摩駅の唐揚げとコロッケ・メンチ
奥多摩駅に戻ると、駅構内の「更衣室」で新しい服に着替え、駅前探検へ。
更衣室は男子用と女子用、それぞれ一つずつあります。駅近くのもえぎの湯が混んでる時は、ここでササッと汗を拭いて帰るのもオススメです。
着替えたら、奥多摩駅入口付近にある「鳥笑」という唐揚げ専門店へ。2021年6月24日にオープンしたばかりで、「からあげグランプリ」の最高金賞を獲得したこともあるそうです。
オーダーしたのは骨なしミックス(ムネとモモ)。専門店の唐揚げは、アツアツジュシーで間違いない味でした😄
まだまだお腹が満たされないので、奥多摩の老舗「一松」でコロッケとメンチをゲット。
登山後の揚げ物は、罪悪感なく食べれるのが嬉しいですねw
奥多摩駅周辺はここ数年で魅力的なお店が増え、だいぶにぎやかになりました。
登山の楽しみは登るだけではないので、奥多摩駅を訪れた際はぜひ楽しみを見つけてみてください😀
山小屋情報
三頭山避難小屋
三頭山西峰からムシカリ峠方面へ10分ほど歩くと、三頭山避難小屋があります。(トイレつき)
ログハウス風で中も清潔に保たれています。
登山便利グッズ
Buff(バフ)はあると便利な高機能ヘッドウェアです。汗を素早く吸収し、尚且つ速乾性や防臭機能もあります。デザイン性もよく、10通り以上のアレンジが可能です。
スノーピークの超軽量(178g)折りたたみ傘。収納サイズも22cmと小型で、ザックに入れておけば、突然の雨にも安心。
ジェットボイルフラッシュは、0.5リットルの水を約1分40秒で沸騰させます。コーヒー用のお湯も、カップラーメン用のお湯も、あっという間に沸騰します。日帰りでもテント泊登山でも重宝する優れ物です。
【山の本厳選30冊】山好きに読んでもらいたいオススメ本を「カテゴリー別」に紹介します!
温泉・お風呂
奥多摩温泉 もえぎの湯:利用料630円
【営業時間】
・4月~11月 10:00~20:00(最終受付け19:00)
・12月~3月 10:00~19:00(最終受付け18:00)
定休日/月曜日※月曜日が祝日の場合は翌日
玉翠荘:利用料800円
河辺温泉 梅の湯 (スーパー銭湯):利用料880円
奥多摩駅から離れていますが、中は広くて過ごしやすいです。
【営業時間】10:00~23:30(最終受付け19:00)【定休日】第3水曜日
奥多摩駅更衣室:
奥多摩駅には男子用と女子用、それぞれ一つずつ更衣室があります。
濡れたタオルで体を拭き、新しい服に着替えれば電車の中で嫌な顔はされないでしょう。
また靴洗い場もあり、サックと着替えて帰りたい人には便利な施設です。
地図情報
25000図:三頭山 周辺図
出典:国土地理院ウェブサイト
三頭山へのアクセス
今回紹介した「麦山の浮橋」コースのアクセスです。
公共交通アクセス
【西東京バス】
・奥多摩駅〜峰谷橋バス停(鴨沢西行、丹波行、小菅の湯行のバスが停車します)
※小河内神社バス停の方が近いですが、峰谷橋にはトイレがあります。
峰谷橋から麦山の浮橋までは歩いて約10分です。
時刻表や路線図などの詳しい情報は、西東京バスのHPをご覧ください。
マイカーアクセス
峰谷橋のトイレに5〜6台の駐車スペースがありますが、登山用には向きません。
奥多摩湖沿いから三頭山を目指す場合は、以下の駐車場が便利です。
河野駐車場:
【駐車台数】約20台
【料金】無料
【利用時間】早朝・夜間の通行禁止時間あり。詳しくは西多摩建設事務所 > 奥多摩周遊道路へ
【備考】トイレあり
山のふるさと村:標高約590m
【駐車台数】約36台
【料金】無料
【利用時間】早朝・夜間の通行禁止時間あり。詳しくは山のふるさと村の駐車場情報へ
【備考】トイレあり
風張峠駐車場:標高約1,146m
【駐車台数】約10台
【料金】無料
【利用時間】早朝・夜間の通行禁止時間あり。詳しくは西多摩建設事務所 > 奥多摩周遊道路へ
【備考】トイレなし
まとめ
【麦山の浮橋からの三頭山】森林浴ができるお山へ日帰り登山は、いかがだったでしょうか?
1年前の三頭山も麦山の浮橋を渡る計画を立てていましたが、浮橋が通行止めで断念していました。
1年越しのリベンジが成功し、妻の機嫌がとれて一安心といったところです😌
さて、今回登った三頭山のコースの特徴を簡単にまとめると、こんな感じです。
よいところ:
・森の生命力を感じる登山道
・岩場や鎖場などの難所はなし
・東峰近くの展望台と、西峰からの眺望が見事
注意点:
・2021年10月16日現在、鞘口峠から山のふるさと村までの登山道は通行止め
・山頂付近は「都民の森」独自の遊歩道が多数あるため、惑わされないよう注意が必要
この記事が三頭山登山の参考になれば嬉しいです😃
それでは、最後までご覧頂きありがとうございました!