この記事では、ランナーにとって欠かせない栄養素である「脂質(脂肪)」について、その働きについて紹介していきます。
- フルマラソンを走り切る体力をつけたい
- ランニングのパフォーマンスを向上させたい
- 脂肪を減らしながら健康的に痩せたい
というランナーにオススメの内容となっています。
よく脂質は太るだの、体に悪いだの、悪者扱いされることがありますが、それは誤解です。
なぜなら、脂質はランナーの体を動かす大切なエネルギー源であり、適切な摂取ができれば、生活習慣病を予防する効果もあるからです。
良質な脂質は、ランニングのパフォーマンスを向上させるだけでなく、体を内側から若返らせます。
この記事を読むことで、脂質がランニングにどう役立つのか、そしてどのような脂質を摂取すれば体によいのかが分かるので、ぜひご覧ください。
正しい脂質の知識を学び、マラソンでバテない体を手に入れましょう!
100kmマラソンのサブ10ランナー。この記事は管理栄養士である妻の監修を受けています。
参考文献:
>>ランニングと栄養の科学
>>「走る」ための食べ方
なぜランナーに脂質が必要なのか?
ランナーにとって脂質(脂肪)が必要な理由は、長時間走り続けるために必要なエネルギーを供給してくれるからです。
脂質は、糖質と合わせてランニング時のエネルギー源となる栄養素です。
この2つはそれぞれ役割が違います。
糖質は、息切れするような強度の強い運動の際に使われるエネルギーです。
燃焼速度が速く、貯蔵量も限られているため、長時間の運動には向きません。
対して脂質は、苦しくならない程度のスピードで走る際に使われ、糖質よりも長時間のエネルギー供給を可能します。
また脂質を摂取すると、体内で中性脂肪として貯蔵されます。
その量は成人男性(70kg)で約80,000cal。
フルマラソンで消費されるエネルギーは約2,500〜3,000kcalなので、およそ26回分です。
それにくらべ体内の糖質(グリコーゲン)は、約1600〜2000kclしかストックできません。
フルマラソンの後半でバテしまう1番の原因は、ハイペースで走り続け、グリコーゲンが枯渇してしまうことです。
フルマラソン完走の秘訣は、このグリコーゲンをできる限り節約し、脂肪をメインエネルギーとして使うことにあります。
脂肪をメインエネルギーとして使うには、先に述べたように「息切れしない程度のスピードで走ること」が重要です。
そうすることで、グリコーゲンの枯渇を遅らせ、フルマラソンの後半に力を残すことができます。
また、酸素摂取量の強化も脂肪を有効に使うために役立ちます。
酸素摂取量の強化には、筋肉に酸素を運ぶ手助けをしてくれる鉄分を摂ったり、心拍強化を目的としたインターバル走を行うことが有効です。
以上が、脂質がランナーにとって重要なエネルギー源となる理由です。
しかし、脂質には良い脂質、悪い脂質があり、注意して摂取しないと体に悪影響与える可能性があります。
そこで、次項では「良質な脂質とはどんなものなのか?」を紹介していきます。
良質な脂質とはどんなもの?
不飽和脂肪酸の健康メリット
良質な脂質とは、不飽和脂肪酸のことです。
不飽和脂肪酸とは、常温で液体である植物性油脂に多く含まれており、代表的なものには、アマニ油やオリーブ油などが挙げられます。
また、ナッツやアーモンドなどの堅果類に豊富に含まれていることでも有名です。
良質な脂質を摂取することで、
- 脳の活性化
- 精神の安定
- うつの抑制
- 免疫力の向上
- 花粉症などのアレルギー緩和
- 心臓病や生活習慣病のリスクを低減
など、健康面でさまざまな効果があることが分かっています。
また、脳の構成成分は水分を除くと、脂肪酸が約60%を占めています。
そのため、良質な脂質を摂取できないと、脳機能が低下し脳の老化が早まる恐れがあります。
それだけ脂質は、わたし達の心と体の健康に密接に関わる栄養素なのです。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸には要注意
脂質には、摂りすぎると悪影響を及ぼす悪い脂質もあります。
その脂質とは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸。
飽和脂肪酸は、常温で個体の動物性油脂に多く含まれ、過剰摂取は血中コレステロール値の上昇や心臓病、動脈硬化のリスク増などにつながります。
代表的な例を挙げると、バターやラード、肉の脂身などです。
トランス脂肪酸は人工的な脂肪酸であり、加工食品やファーストフード、スナック菓子、マーガリンなどに含まれます。
トランス脂肪酸の消費量が増加すると、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患のリスクが増加します。
アメリカでは、その危険性が問題視され、2021年1月1日をもって全面禁止されました。
欧州連合でも2019年4月からトランス脂肪酸を含む加工食品の販売が禁止されています。
また、一度調理に使用した油を再利用したり、長時間経過した油で作った揚げ物も体に悪いことで有名です。
なぜなら長時間空気にあたると油の成分が酸化し、体に有害な過酸化油脂になるからです。
酸化した油を摂り続けると、細胞を傷つけ老化を促進させるだけでなく、動脈硬化や消化器障害も引き起こします。
そのため、チェーン店やファストフードの揚げ物には注意しましょう。
脂質の適切な摂取量とは?
適切な脂質の摂取量は個人によって異なりますが、一般的に1日に必要な脂質の量は、総エネルギー摂取量の20〜35%程度です。
具体的には、1日の摂取エネルギーに対して、約45〜75グラムの脂質を摂取することが推奨されています。
ちなみに、インスタントラーメンで約19g、ポテトチップで約35gもあるので、食べ過ぎには注意が必要です。
また、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸をできるだけ避け、良質な脂質である不飽和脂肪酸を多く含む食品を摂取するように心がけましょう。
ランナーにとっても、良質な脂質をバランスよく摂取することは、健康維持や運動パフォーマンスの向上につながる重要なポイントです。
とはいえ、良質な脂質を含む献立を毎日考えるのは大変ですよね。
そこで最後に、不飽和脂肪酸を手軽に摂れるおすすめアイテムを紹介して終わりにしたいと思います。
不飽和脂肪酸を手軽に摂れるおすすめアイテム
不飽和脂肪酸のなかでも特に体に良いとされるのが、オメガ3脂肪酸。
主に魚油や植物油の中に存在しており、血液をサラサラにする効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)や、脳や目に良いとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)などの栄養が含まれています。
また、精神を安定させたり、心臓病や脳卒中のリスクを低下させたり、免疫機能を向上させたりと、あなたの健康をサポートしてくれます。
そんなオメガ3脂肪酸ですが、人間の体内では合成できず、食事から摂取しなければなりません。
そこで普段の食事だけでは不足しがちな良質な脂質を、気軽に摂れるアイテムを紹介します。
日清:アマニ油
- 小さじ1杯で、1日分のオメガ3が摂取可能
- フレッシュキープボトルなので酸化をブロック
- 食べ方は料理にそのままかけるだけ
アマニ油にはオメガ3脂肪酸だけでなく、ビタミンEやマグネシウム、亜鉛、カルシウムなどの栄養素も含まれています。
また抗酸化作用もあるため、若さを保ちたい人にもオススメです。
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アイリスプラザ:ミックスナッツ
- タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で栄養の宝庫
- アーモンドやくるみにはオメガ3が豊富
- 腹持ちが良くおやつにも最適
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オイリッチEX:オメガ3 DHA EPA フィッシュオイル
オイリッチの商品には、以下の成分が含まれています。
- オメガ3オイル(アマニ油、えごま油+DHA、EPA)
- 納豆菌の塊であるナットウキナーゼ
- 抗酸化作用を持つアスタキサンチン
また、Amazonオメガ3サプリメント売れ筋ランキング第1位も獲得しています。
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まとめ:良質な脂質はランナーの味方です
以上、ランナーにとって欠かせない栄養素である「脂質の働きや摂取の仕方」について紹介してきました。
ランナーにとって脂質は、長時間走り続けるために必要なエネルギー源です。
また、良質な脂質を摂取できれば、生活習慣病を予防するだけでなく、体を内側から若返らせる効果もあります。
その良質な脂質とは、オメガ3を含む不飽和脂肪酸のことです。
おもにアマニ油やナッツ類、サプリメントから摂取することができます。
ランニングのパフォーマンスを上げるには、これらのアイテムがあなたの味方になるはずです。
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