今回は西武池袋線沿線の駅から、簡単にアクセスできる奥武蔵の低山縦走コースの紹介です。
コース上には「橋本山」「スカリ山」「日和田山」と、3箇所の展望ポイントがあり、それぞれ低山とは思えない開放感ある景色を楽しめます。
山中のユガテという小さな集落では、懐かしさを覚える原風景が広がり、自然と心が和みます。
全行程は、標準タイムで約5時間30分程なので、のんびりとした日帰り登山に丁度いいコースです。
日和田山から下山すると、徒歩圏内に入浴施設もあります。
汗を流してさっぱりすれば、帰りの電車では気持良く眠りにつけるでしょう😃
コースレポと共に情報をまとめましたので、都心から気軽に山登りを楽しみたい方の参考になれば嬉しいです。
スカリ山・物見山・日和田山 基本データ
今回紹介するコースは、奥武蔵の一番東端にある低山エリアです。
このコースの魅力は、電車を降りてすぐ登山口にアクセス可能なところです。
東吾野駅から出発し橋本山、ユガテまでの道のりは、静かな里山歩きが楽しめます。
ユガテからスカリ山までは、針葉樹と低木の常緑樹の味わいある風景が続き、心を和ませてくれます。
北向地蔵から物見山までは、スニーカーでも問題ないほど、歩きやすい道です。
日和田山の登山コースは、新緑が芽吹き始めていて、若葉の彩りやツツジが綺麗でした。
日和田山から下山後は、近くに「高麗の里」という入浴施設もあるので、サッパリ汗を流してから帰路につくのもいいでしょう👍
標高 | スカリ山:435m 物見山:375m 日和田山:305m |
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所在地 | 埼玉県日高市・入間郡毛呂山町 |
エリア | 奥武蔵 |
登山適期 | 一年中(降雪後、残雪時は除く) |
スカリ山
スカリ山は3つのピークからなる山で、中央のピークが最も高く、山頂には小さな三角点と丸太のベンチがあります。
漢字では「巣狩山」と書くそうです。
南側は樹林で遮られてますが、北西方面は眺めが良く、伊豆ヶ岳や武甲山、外秩父の山々の眺望が素晴らしいです。
物見山
山頂は広く、長細い形状をしています。
ベンチもいくつかあり休憩に適してますが、樹林に囲まれているので、見晴らしはよくありません。
山頂標識から東へ2分ほど歩いた場所に、一等三角点があります。
日和田山
麓の登山口から山頂まで約30分と、だれでも気軽に登れる見晴らしのいいお山です。(男坂は岩場が連続した斜面なので、下山時は注意)
頂上手前の金刀比羅神社の第二鳥居からは、湾曲した高麗川に囲まれた巾着田(きんちゃくだ)と呼ばれる平地が見渡せます。
上から見るとご覧のとおり、巾着形をしているのが分かります。
一年を通じて四季の花々でにぎわい、特に9月中旬から下旬にかけては、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)で一面真っ赤に彩られます。
巾着田の四季の花情報は「日高市・巾着田HP」からご確認ください。
スカリ山・物見山・日和田山コースデータ
コースデータ詳細:【】内は通常コースタイム
- 東吾野駅(標高約132m)→【0:55】→橋本山(標高約321m)
- 橋本山→【0:20 】→ユガテ(標高約290m)
- ユガテ→【0:50】→スカリ山(標高約435m)
- スカリ山→【0:20】→北向地蔵
- 北向地蔵→【0:35】→物見山(標高約375m)
- 物見山→【0:50】→日和田山(標高約305m)
- 日和田山→【0:25】→日和田山登山口(標高約110m)
- 日和田山登山口→【0:30】→高麗神社(標高約85m)
- 高麗神社→【0:20】→高麗川駅
通常コースタイム:約5時間25分(休憩含まず)
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コースレポート
東吾野駅→橋本山→ユガテ→スカリ山→北向地蔵
山行日は午後から雨予報だったので、サクッと楽しめるこの縦走コースを計画しました。(登山日は21/4/4)
今回は渋滞知らずの電車登山。
スタートの起点となる駅は、西武池袋線の「東吾野」駅です。
改札を出て直進し、コインパーキング(駐車台数6台)の横を右に曲がります。
信号を渡り、駐在所を右へ進むと、
吾那神社へ分岐があるので、階段を登ります。
吾那神社は、丁寧に管理されている立派な神社でした。
お参りを済ませ、赤矢印のほうへ進むと、登山道が現われます。
しばらくは気持ち安らぐ、里山らしい山道が続きます。
ひと登り終えると、鉄塔がそびえ立つ小広場へ。(ここからは物見山方面の眺望が良かったです)
先へ進むと橋本山見晴台の道標が出てくるので、そちらへ向います。
橋本山(321m)は意外と眺めが良かったため、一旦ここで小休止。
目の前に天覚山や大高山など、武甲山まで続く縦走路の山々が見えました😄
小休止の後は、ユガテへ向かいます。
ユガテまではゆっくり歩いて15分ほどの距離です。
登山道わきに木材置き場が現われると、ユガテに到着。
山の中なのに広く平らな土地で、なんだか不思議な場所でした。
ユガテの地名の由来は「湯ヶ天」「湯ヶ手」と、いろいろあるようです。
現在は2軒の民家があり、周辺の畑はよく手入れがされていました。
辺りは桜も咲いていて、のどかで落ち着けるいい集落です。
次の目的地であるスカリ山へは、トイレの先を進み、1つ目の分岐を左へ進みます。
民家の脇を通り抜け、道なりに進むと、道幅の広い道へ出ます。
そのまま広い道を進んでもOKですが、今回は矢印の先にある山道へ。
山道を進むと一旦車道に出ますが、そのまま直進し、もう一度山道に入ります。
この先では、なかなか貴重?なスギとシダの面白いコラボが見れました。
斜面を登りきると、エビガ坂と呼ばれる分岐へ到着。
スカリ山へは、鎌北湖方面に進みます。
再度スカリ山への標識が現われたその先には、なかなかな急登が待ち構えていました。
10分ほどかけてゆっくり登ると、スカリ山に到着!
スカリ山からは北西方面の眺めが良く、伊豆ヶ岳や武甲山方面、それに奥深い外秩父の山々を見渡せます。
標高の高い山とはまた違う、味わい深い風景です😃
山頂には丸太のベンチがあり、ここでカップラーメン休憩。
山頂はそこまで広くなく、8人ほど集まれば圧迫感を感じる広さですかね。
休憩後は北向地蔵へ向けて出発。
同じ稜線にある観音ヶ岳に立ち寄ったあと、
登山道を下り、車道に合流しました。
車道を数分歩くと、北向地蔵に到着です。
北向地蔵は登山道が交わる要所に建てられており、その名の通り北側を向いてたたずんでいます。手入れが行き届き、大切にされているのが分かるお地蔵様です。
ここから先は、物見山を目指して進んでいきます。
北向地蔵→物見山→日和田山→高麗神社→高麗川駅
北向地蔵から物見山までは、歩きやすい登山道が続きます。
この区間の登山道は、針葉樹が緑で覆われていて、リラックスできる登山道でした。
一度車道を横切り、岩を切り通したような道を進みます。
ヤセオネ峠を過ぎると、物見山への分岐があるので、山頂方面へ。
物見山の山頂は広く、日当たりもいいですが、樹林で周りを覆われてるため、眺望はよくありません。
一等三角点は山頂標識がある場所から、東へ2分ほど歩いた場所にありました。
山頂から10分ほど登山道を下ると、車道に合流し「ふじみや」という売店が見えてきます。
ここではカップラーメンや、アイスクリーム等の軽食が売られていました。
近くには綺麗なトイレもあります。
少し歩くと高指山との分岐があるので、矢印の方向へ進み、日和田山へ向かいます。(高指山は柵に囲まれた電波施設の中にあり、入ることができません)
日和田山への道中は、木々が芽吹きはじめていて、とても気持ちのいい登山道でした。
山頂へ向かう分岐に差しかかると、穏やかな登山道も終わり、急な斜面が登場します。
一踏ん張りして登り終えると、家族連れでにぎわう山頂に到着。
山頂からは北東方面の眺めがよく、日高市や川越方面の町並みを一望できます。
山頂をあとにし、5分ほど下ると金比羅神社に到着です。
この場所からの眺めは見事で、開放感のある大展望が広がります😀
眼下には巾着田や飯能の町並みが広がり、正面には天覧山から武甲山まで続く稜線や、奥多摩、丹沢方面も見渡せました。
富士山は雲に覆われ見えませんでしたが、条件に恵まれれば富士山にも出会えます。
下山は男坂、女坂、見晴らしの丘コースとあり、今回は見晴らしの丘コースを選択。
この「見晴らしの丘コース」と「男坂」は結構な岩場なので、山慣れていない人は「女坂」をオススメします。
降りてきた岩場を振り返ってみると、こんな感じです。
見晴らしの丘にはベンチが複数あり、高麗市街の眺めが良好でした。
この先は穏やかな登山道が続き、下りきったところで男坂と合流します。
さらに女坂と合流し、大きな鳥居をくぐると登山口に到着です。(トイレと自販機があります)
ここからは1300年の歴史と、出世開運のご利益があるとされる高麗神社へ向かいます。
ちなみにすぐ近くの巾着田バス停から、バスに乗って約10分ほどの場所に「高麗の里」という入浴施設があります。(下段に詳細あり)
巾着田散策のあとに「高麗の里」で入浴というプランもオススメです。
高麗神社へは、登山口の入口を出て、矢印の方向へ進みます。
しばらく歩くとT字路に突き当たるので、右へ曲がり、
右手にカーブミラーが見えたら、左へ進みます。
その後は大通りに合流し、道なりに進むと高麗神社に到着です。
高麗神社はその昔、朝鮮半島の高句麗という国から亡命し、当時未開の地であったこの地域を開拓、繁栄させた高句麗の王族を祭っている神社です。
1300年の歴史があり、境内の建造物はどれも立派で、一見の価値があります。
手水舎
御社殿
参拝後は、JR八高線「高麗川駅」に向けて出発です。
神社の駐車場側に高麗川駅への案内があるので、その案内に従って進みます。
高麗川を渡り、素朴な田園風景を歩くと、20分ほどで高麗川駅に到着です。
この日は、休憩も含めて約5時間半の山行でした。
電車登山なので帰りは渋滞もなく、車内で気持良く眠り帰宅。
このエリアは、西武池袋線沿いの登山コースが豊富にあるので、皆さんも電車でのんびり山行を楽しんでみて下さい😄
温泉・お風呂
高麗の郷:日高市総合福祉センター
【入浴料】600円
【営業時間】入浴は10:30~19:00
【休館日】毎月第1および第3土曜日、年末年始
【備考】
・巾着田バス停からバスで約10分
・日和田山登山口から徒歩約25分、高麗神社から徒歩約20分
・高麗の里から「高麗川駅」「飯能駅」行きのバスあり
地図情報
一般ルートからバリエーションルートまで、細かく記載されています。
奥武蔵の山は枝道が沢山あり、迷いやすいですが、この地図があれば安心です。
スカリ山へのアクセス
※今回紹介したコース用のアクセスです。
公共交通アクセス
【電車】西武池袋線「東吾野」駅(池袋駅から急行電車で、約1時間10分ほど)
マイカーアクセス
東吾野駅前駐車場(西武スマイルパーク):
【駐車台数】6台
【料金】24時間最大500円
【営業時間】5時~24時
【備考】競争率は高めです。周辺にその他駐車場はありません。
駐車場入口↓
鎌北湖からのアクセス
マイカーの方はこちらが便利です。
鎌北湖第一駐車場:
【駐車台数】約40台
【料金】無料
【営業時間】24時間
【備考】トイレ、自動販売機あり
鎌北湖第二駐車場:
【駐車台数】約20台は駐車可能です(目視確認時)
【料金】無料
【営業時間】24時間
【備考】トイレあり
登山便利グッズ
Buff(バフ)はあると便利な高機能ヘッドウェアです。汗を素早く吸収し、尚且つ速乾性や防臭機能もあります。デザイン性もよく、10通り以上のアレンジが可能です。
スノーピークの超軽量(178g)折りたたみ傘。収納サイズも22cmと小型で、ザックに入れておけば、突然の雨にも安心。
ジェットボイルフラッシュは、0.5リットルの水を約1分40秒で沸騰させます。コーヒー用のお湯も、カップラーメン用のお湯も、あっという間に沸騰します。日帰りでもテント泊登山でも重宝する優れ物です。
【山の本厳選30冊】山好きに読んでもらいたいオススメ本を「カテゴリー別」に紹介します!
まとめ
「奥武蔵のお手軽縦走」はいかがでしたでしょうか?
私は吾野神社からスカリ山までの道のりが、奥武蔵の魅力がギュッと詰まったコースのように感じました。
このエリアの注意点としては、様々なコースが交差する箇所が多いところです。
登山道の分岐や峠では、案内標識や地図を確認しましょう😃
今回の山行の魅力をまとめると、こんな感じです。
・都心(池袋)から簡単アクセス
・低山なのに好展望
・>里山の落ち着いた雰囲気を味わえる登山道
飯能駅から秩父駅までは、西武池袋線を隔てて、北側と南側に登山エリアが分かれています。
その間の駅は登山口/下山口の起点になるので、様々なコース設定が可能ですよ😄
皆さんも自分のレベルに合わせて、奥武蔵の山々を楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事が充実した山歩きのお役に立てれば嬉しいです。
それでは、最後までご覧頂きありがとうございました!