今回のテーマは「お酒が引き起こす体への害」についてです。
「酒は百薬の長、ほどほどに飲めば健康にいい」とよく聞きますが、ほどほどに飲める人なんて一体どのくらいいるのでしょう🤔
たいていは毎晩、適量以上に飲んでしまい、健康診断の数値が基準よりオーバーしてる人がほとんどではないでしょうか?
多くの病気はお酒から起きており、酒は万病の元といっても言い過ぎではありません。
最新の研究でも「飲酒はたとえ少量であっても健康障害を引き起こす」ことが証明されています。
そんな有害物質であるアルコールが引き起こす健康被害についてまとめてみました。
お酒をやめたいと思ってる人の手助けになれば嬉しく思います。
お酒が体に入るとどうなる?
お酒を飲むとなぜ、体に悪影響を及ぼすのでしょうか?
お酒の別名は「エチルアルコール」という薬物です。
薬物なので体の中に入ったら、分解しなければなりません。
口から入ったアルコールは、胃や小腸で吸収され、肝臓に送られます。
肝臓はアルコールを分解してくれますが、その際に「アセトアルデヒド」と「活性酸素」が発生します。
その後さらに酢酸に分解され、血液に乗って肝臓を離れ、最終的には炭酸ガスと水になり尿や汗から排出されます。
このアルコールを分解するときに発生する「アセトアルデヒド」と「活性酸素」が、体に健康被害をもたらす犯人なのです。
「アセトアルデヒド」は毒性が強く、細胞のDNAに傷をつけ、がんを発生させる怖い物質です。
大量飲酒などで長時間体内にたまると、吐き気や頭痛を引き起こし、脳をバグらせます。
さらに交感神経への刺激作用が強く、睡眠時に脳を覚醒させてしまい、きちんと寝たつもりでも疲労を回復できません。
「活性酸素」も、体内の臓器に炎症を起こし、さまざまな病気の引き金になります。
肌の老化を早め、身体をサビつかせる原因としても有名です。
この2つの有害物質に加え、アルコールは利尿作用があるので水分が不足し、血液がドロドロになるため、血流が詰まりやすくなります。
ちなみに肝臓はアルコールを分解している間、他の老廃物を処理できません。
そのため、しっかり睡眠をとったつもりでも、体が回復できていないので、疲れやすくなります。
また妊娠中にアルコールを飲むと、お腹の中の胎児に「発育遅延」や「中枢神経系の障害」などの影響を引き起こします。
一番胎児に影響が出るのは妊娠初期の3ヶ月なので、妊娠を考えてる方はお酒を控えるのがベストです。
これだけ見ても、アルコールがいかに体に負担をかける有害物質だというのが、わかるかと思います。(アルコールの基礎知識をもっと知りたいという方は、厚生労働省のe-ヘルスネットをご覧ください)
しかし酒造メーカーなどは「適量を守って飲んでいれば身体には害がない」、むしろ「適量飲酒は体に良い」とアピールしていますが、本当なのでしょうか?
実は最近の研究では「アルコールは少量でも飲んでしまうと健康に悪い」という報告があるのです。
適量飲酒ならお酒に害はない?
お酒は適量を守って飲めば、精神的にも身体的にもメリットがあると言われてますよね。
それではその適量とは、一体どの程度のものなのでしょうか?
国が定めた「健康日本21」という指針では、1日の適切な飲酒量を20gまでとしています。
また生活習慣病を高めるミドルリスクの酒量を40g以上、問題飲酒と呼ばれるハイリスクの酒量を60g以上としています。(これは男性の基準で、女性は全てその半分となります)
この量を守ってる酒飲みが一体どれほどいるでしょう😅
おそらく毎晩晩酌する酒飲みの大半が、ミドルリスク以上の酒量(40g)を飲んでいるのではないでしょうか?(私は毎晩適量の6倍は飲んでいました…)
適量飲酒が健康によいという根拠の元になっているのが、1993年6月にアメリカ保健科学協議会(ACSH)で発表された「飲酒量と死亡率」に関する研究報告です。
この報告によると「お酒を飲み過ぎたり、まったく飲まないよりも、適量のお酒を飲んでいる人の方が、総死亡率が低い傾向にある」ようです。
その研究結果をグラフにすると、アルファベットの「J」に似ていることから「Jカーブ効果」と言われ、適量のお酒なら健康に良いとされてきました。(Jカーブ効果について詳しく知りたい方は、ビール酒造組合がまとめたJカープ効果をご覧ください)
しかし、最近の調査では少量でも飲酒リスクがあることがわかっています。
その根拠となるのが2018年8月に世界的権威のある医学雑誌Lancet(ランセット)に掲載された論文です。
この論文は、お酒を飲んでいる人を対象に「アルコール起因の病気や死亡の原因」を多方面から分析したもので「健康リスクを最小化したいなら、飲酒量はゼロがいい」と結論づけています。(この論文について詳しく知りたい方は、ランセットのHPをご覧ください)
さらにアルコールには「酔っぱらっての怪我」や「人間トラブル」「周囲に醜態をさらす」など、病気以外のリスクもありますよね。(私はすべて経験があります…)
お酒は依存性のある「薬物」であり、ストレス発散などの精神的な効用は多少あっても、身体的な健康効果はまったくありません。
そんな薬物を大量に接種し続けると、体にどんな影響が出てくるのでしょうか?
アルコールと病気
アルコールは、WHOから「健康被害の最大のリスク要因」と見なされている危険な薬物です。
そんな薬物を長期間摂取し続けていると、体に負担がかかり、さまざまな弊害をもたらす可能性があります。
例えば、
- 脳の萎縮(記憶力、判断力の低下)
- 脳梗塞、脳卒中(脳の血管の詰まりや破れ)
- 各種がんの発症(食道がん、膵臓がん等々)
- 脂肪肝(中性脂肪が肝臓に蓄積)
- 肝硬変(肝臓の炎症)
- 高血圧(いずれは心疾患や脳血管疾患へ)
- 慢性膵炎(膵臓の炎症)
- 食道炎
- 糖尿病
- 痛風
- 睡眠障害
- 心身障害
- アルコール依存症
などの病気のリスクが高まります。
まさに病気のデパート。
それに加えてお酒は「塩分の多い食べ物」や「脂っこい食べ物」と相性がいいので、生活習慣病のリスクも増加します。
しかもこれらの病気は、お酒をやめたからといって、すぐ元の健康な状態に戻るわけでもありません。
がんや糖尿、痛風、重度の臓器障害は一度発症すると一生付き合わなければならない病気です。
酒造メーカーはHPなどで、身体にいい飲み方を推奨していますが、それは毒を薄めてごまかしてるだけ。
身体によいものならそんな小細工、必要ないですからね。
下のイラストは2001年のもので、白丸が飲酒のメリット、緑丸が飲酒により起こる病気を示しています。
これを見ると、メリットよりデメリットのほうが圧倒的に多いですよね。
20代、30代は多少無理な飲み方をしても体は頑張ってくれますが、確実にダメージを受けています。
健康は財産です。
お酒をやめれば健康リスクは間違いなく下がるので、手遅れになる前に断酒にチャレンジしてみませんか?
【参考】断酒・禁酒のお助け本
お酒をやめたい!と思ったらまず読むべき一冊。
お酒に対する見方が変わるロングセラー本です。
アルコール依存症の専門医が書いた「お酒のない人生」をサポートしてくれる本です。
お酒のデメリットや、お酒をやめて起こるメリットを丁寧に解説してくれています。
具体的な「節酒・禁酒術」の解説もあり、お酒をやめたい人にぜひ読んでもらいたい一冊です。
大酒飲みだった作家(元パンクロッカー)の断酒エッセー。
断酒に対する考え方が面白く、ためになる名言がたくさん出てきます。
断酒を手助けしてくれる良書です。
こちらの記事でも断酒関連のおすすめ本を紹介しています。
【断酒・禁酒のお助け本】お酒に負けない知識が学べるおすすめ本一覧
断酒を成功させるには、アルコールの正体を知ることです。
正しい知識を手に入れ、お酒に打ち勝ちましょう!
まとめ
アルコールが体に及ぼす害について紹介してきました。
お酒は飲むだけで、体に有害な「アセトアルデヒド」と「活性酸素」を発生させます。
そして大量に飲んでしまうと、体にさまざまな悪影響を及ぼし、将来後悔してしまう重大な病気になる可能性もあります。
お酒を止めるだけで生活習慣病やガンになるリスクが低くなるのなら、飲まないにこしたことはありません。
お酒を飲むことで人生が豊かになり、生活の質が上がるとよく言いますが、お酒を飲まなくても同じ事が言えます。
そしてお酒のない人生は「時間」と「健康」と「お金(浮いたお酒代)」を手に入れることもできます👍
それでは最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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こんにちは。アルコールと免疫を研究しています。
アルコール病棟では花粉症と食物アレルギーがいません。アルコール症の原因は免疫トレランス(負の免疫)です。
昨年11月に、重度免疫不全マウスにエタノールを投与しました。3週間で脳が12.27%減少しました。
このように抗体を作ることのできない哺乳類では、エタノールで神経細胞が破壊されます。
これがアルコール症(依存症、中毒)の原因です。
コメント、ありがとうございます!
やっぱりアルコールは怖い薬品ですね。
私も花粉症や食物アレルギーもないので、重度のアルコール依存の可能性がありますね。。
もう2度とお酒を飲まないように、アルコールの怖さを心に留めておこうと思います😀