みなさんは、お酒の消費量と飲酒人口が毎年減少しているのをご存知でしょうか?
令和元年の統計調査によると、お酒を週3日以上飲む人の割合は全体の約3割。
7割の人が飲酒習慣がありません。
その状況に危機感をつのらせたのが、アルコール業界です。
何とか売上を回復させようと「スマートドリンキング」なる造語を作り出し、飲まない人たちをターゲットにしたアルコール度数0.5%の「微アルコール」というジャンルを生み出しました。
しかし、アルコール度数0.5%といってもアルコールはアルコール。
体に悪影響をあたえる「エチルアルコール」という依存性薬物です。
油断して飲んでしまうと、結局酒量が増え、断酒する前の自分に逆戻りしてしまいます。
この記事では、
- なぜ飲酒人口が減少したのか
- アルコール業界の巧妙な手口
について、わたしなりの考えをまとめてみました。
「アルコール業界の甘いささやきに気をつけよう」という内容なので、気軽に読んでもらえると嬉しいです😌
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お酒の消費量は減少中・飲まない人も半数以上
日本では酒類の消費量が年々減っています。
国税庁がまとめた「成人一人当たりのお酒の消費量」を見てみると、その減少傾向は明らかです。
ちょうどバブルの終わりの平成4年をピークに減りはじめ、平成20年からほぼ横ばいが続き、令和になってさらに減少しています。
そして以下の表は、令和元年度の飲酒頻度を男女混合・年齢別にまとめた表です。
注目は赤枠で囲った箇所。
「やめた」「飲まない(飲めない)」の割合が39.2%、「ほとんど飲まない」も含めると55.1%にもなります。
全世代で見てみると、特に若い人たちのお酒離れが顕著でした。
わたしはこの結果を知った時「意外と飲まない人が多いんだな」というのが第一印象ですが、みなさんはどうでしょうか?
なぜ飲酒人口が減ったのか、その理由を考えてみたところ、次の2つが思い当たりました。
- アルコールリテラシーの向上
- お酒にお金をかけられない
①の「アルコールリテラシーの向上」については、まだまだ十分とはいえませんが、過去に起きたお酒に関する痛ましい事故が教訓となり、昔に比べると格段によくなったと思います。
以前は居酒屋へ行くと、そこかしこでイッキのコールが聞こたり、「お酒が飲めないのは努力が足りないからだ」といって、飲めない人を下に見る風潮がありましたよね。
最近になってようやく「嫌がる人にお酒を強要しない」という考えが浸透し、お酒が苦手な人もマイペースで飲める環境が増えてきたと感じています。
②の「お酒にお金をかけられない」に関しては、先ほど登場した酒量消費量の表が物語るように「景気の低迷が長引くにつれ、お酒の消費量も少なくなった」というのがその理由です。
お酒が弱い人や、お酒に囚われていない人は「大事なお金をお酒なんかに使えない」と考えられるので、だんだんとお酒から離れていったのだと思います。
わたしはどっぷりお酒に浸っていたので、月に3万円以上お酒に使っていましたが、今考えると完全にどうかしてました💦
以上のような背景があり、お酒に弱い人やお酒を美味しくないと思う人が、無理に飲まなくてもよい環境が整い、その結果、飲酒人口が減少したと推測します。
しかし、この傾向をよしとしないのがアルコール業界、彼らは巧妙な戦略を立ててきました、、
アルコール業界の抵抗に気をつけよう
目に見えて衰退しているアルコール業界ですが、新たな獲物、、もとい顧客を開拓すべく、新しいジャンルに力を入れています。
それが微アルコール飲料。
微アルコール飲料とはアルコール度数0.5%から1.0%未満のお酒です。
最近では、アルコール度数0.5%のハイボールや、ビールテイスト飲料のCMがよく流れていますよね。
そもそも微アルコールとは何なのか、アサ◯ビールの広報いわく、
「世界的にアルコール市場が伸び悩んでいるため『たくさん飲める人たち』から『飲めない人、飲まない人、あえて飲まない人』に向けてアプローチするための商品」
のようです。
余計なお世話とは、まさにこのこと😅
しかも、微アルコールは酒税法上「お酒ではない」ので酒税がかからないのです!
また「スマートドリンキング」、略して「スマドリ」という新しい造語を作り出し、微アルコールのイメージアップに利用しています。
この「スマドリ」というのは、
「飲む人も、飲まない人も、自分の体質や気分、シーンに合わせて、スマートにドリンクを選びましょう」
という、飲み方の多様性を推進するアサ◯ビールからの提案だそうです。
要は「体質的にお酒が弱い人でも飲めるように、アルコール度数の低いお酒を作ったから買ってね」ということですね😇
「飲み方の多様性」というフレーズも抽象的ですが、この中にはアルコール度数9%のストロング系飲料も入ってるので、この会社の闇を感じます。。
微アルコールの売り方も巧妙です。
有名タレントを起用し「お酒は毎日のご褒美で、幸せを与えてくれるもの」「美味しくてリラックスできるもの」とTVや街頭、SNSなど、至るところでアピールしています。
このような宣伝手法も問題ですよね。。
アルコールには依存性があり、その人の将来に悪影響を与える可能性があるので、海外(ヨーロッパやアメリカ)では上記のようなイメージ戦略は規制されています。
日本でも最低限「有名人やスポーツと結びつけたCMは流さない」などの対策は必要ではないでしょうか。
「微アル」というと、そんなに酔わないイメージがありますが、そうはいってもアルコールはアルコール。
飲むだけで、体に有害な「アセトアルデヒド」と「活性酸素」を発生させます。
薬物なので体にいいことは1つもありません。
>>【断酒・禁酒】酒は万病の元、お酒が引き起こす体への害について
とくに、断酒中の人間には危険な飲み物です。
- 0.5%なら体に負担はないだろう
- 0.5%なら飲み過ぎないだろう
- 0.5%なら我を忘れないだろう
と飲んでしまうと、お酒の快感を思い出し、すぐ以前の酒量に戻ってしまいます。
そうなれば、断酒する前の自分に逆戻りです。
お酒に未練があるのであれば「幸せになるにはお酒が必要」という思い込みをなくし「お酒はご褒美ではなく、心身に害を与える毒」と強く認識することが効果的です。
>>【断酒・禁酒】なぜお酒を飲みたくなるのか?飲酒欲求を抑える方法
アルコール業界は何とか売上を上げようと、あの手この手でわたしたちを誘惑してきます。
そんな言葉に惑わされず、1日断酒を積み上げていきましょう!
【参考】断酒・禁酒のお助け本
お酒をやめたい!と思ったらまず読むべき一冊。
お酒に対する見方が変わるロングセラー本です。
アルコール依存症の専門医が書いた「お酒のない人生」をサポートしてくれる本です。
お酒のデメリットや、お酒をやめて起こるメリットを丁寧に解説してくれています。
具体的な「節酒・禁酒術」の解説もあり、お酒をやめたい人にぜひ読んでもらいたい一冊です。
大酒飲みだった作家(元パンクロッカー)の断酒エッセー。
断酒に対する考え方が面白く、ためになる名言がたくさん出てきます。
断酒を手助けしてくれる良書です。
こちらの記事でも断酒関連のおすすめ本を紹介しています。
【断酒・禁酒のお助け本】お酒に負けない知識が学べるおすすめ本一覧
断酒を成功させるには、アルコールの正体を知ることです。
正しい知識を手に入れ、お酒に打ち勝ちましょう!
まとめ:微アルコールには要注意
今回は飲酒人口が減少している背景と、それに抗うアルコール業界の手口について考えをまとめてみました。
かんたんに振りかえると、
- 日本のお酒の消費量は平成4年をピークに年々減少
- 令和元年度のお酒を飲まない人口は、全体の55.1%
それに危機感をもったアルコール業界が「お酒を飲まない人」をターゲットにした微アルコールを製造しました。
しかし、微アルコールといってもアルコールはアルコール。
断酒中の人間が飲んでしまうと、お酒の快感を思い出し、すぐ以前の酒量に戻ってしまうので、気をつけましょうという内容です。
彼らは必死に「お酒は幸福感を与えてくれる」「飲まない人生はつまらない」と間違った認識を植えつけてきます。
そのような「お酒を飲ませようとする罠」に気をつけ、コツコツ断酒を続けていきましょう😀
それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました!